280.【素直に、思いを告げよう‼】
♡ 富士も好き! だけどやっぱり、ふるさとの山と空が好き‼
《あどけない話》(昭和35年)
智恵子は東京に空が無いといふ、
ほんとの空が見たいといふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、
切つても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山の山の上に
毎日出てゐる青い空が
智恵子のほんとの空だといふ。
あどけない空の話である。
・・・この詩をどう思われますか?
私は、生意気にではなく、素直に“いい”と思います。
こんなふうに、
とらえることが出来る幸太郎さんも、さすがですが、
こんなふうに、
想える千恵子さんは、素晴らしいと思うのです。
空には、雲もありますが、
そこには、薫りも、温かさも、想いもあります。
・・・それが、空というものです。
そして、千恵子さんには、千恵子さんの空があって、
私にも、私の空があるように、
それぞれの心に空はあります。
そういう自分だけの空を、
大切にすることは、素晴らしいことです。
誰にも邪魔されず、僻(ひが)まれず、妬(ねた)まわれず、
自分だけの空を、大切にしたいものです。
自分だけの想いを、大切にしたいものです。
・・・そして、本当に素晴らしいのは、
堂々と自分の想いを告げられることです。