653【何はともあれ、春の香来たる⁉】
♡ 春は来ぬ お前は何を する人ぞ‼
メガネは曇るし、涙は出るし、涙に陽の光が当たりキラキラ光るし、風は冷たいし、
襟を立て、帽子をかぶり、フドーをかぶり、サングラスを掛けて、マスクをして、
そんな物騒な格好で、下を向いて、時々顔を上げて黙々と歩いて行く。
何回も何回も見慣れた景色、今では特に真新しいものはなく、ただただ歩いて行く。
それでも何気に視線を彼方に投げれば、何やらほんの少し変わった気配!
ん? ウ~ン! あれ? なんか? ・・・
ぼんのりとではありますが、梅の木がうっすらと色が変わって見えるような?
いつもはその手前でユータウンしてしまうところですが、今日は気になったもので、
そのほのかさを確かめようと近付いてみました。
期待して近付いたとおり、予感が的中しました。
ほんのわずかですが、花芽が膨らんで薄いピンク色がいくつも連なっていました。
しばらく見入っていましたが、何となく嬉しくなって久しぶりに笑顔が出ました。
花粉でなく梅の花のつぼみで、先に春を感じられたことに満足でした。
思わず、・・・『東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春を忘るな』
な~んて脳裏に浮かびましたが、・・・これには一つ間違いがあることに気付きました。
・・・それは、“あるじなしとて”であります。
「主が無い」ではなく、「主が留守であっても」であるべきです。
意味は同じなのでしょうが、響きが違います。・・・想いが違います。
・・・皆の衆、この違いを見逃すまいぞ。・・・な~んてね‼