癌と付き合う Simojiさん(折々の想い)

お役に立つかどうかは分かりませんが、折々の想いを

93.【散歩から、・・・二つの想い!】

 

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 散歩に出てみました。

ん! 「軽いぞ」、第一印象です。

 4~5日前から比べると、ずっと楽になりました。

何かほっとする瞬間でした。

 

 道端のガードレールの支柱の根元に、

タンポポが、誇らしげに、根性強く咲いていました。

 野の中に悠々と咲き誇るタンポポも格好いいですが、

こんな舗装の隙間からひたむきに咲く花を、

実際に目の当たりにすると、

それはそれは元気付けられるものです。

 

 そんな野の路を歩いていくと、少し離れたところで、

知り合いの方が、作業をしておいでになりました。

 こちらは帽子を深くかぶった怪しい姿、

誰なのか分かるかどうかは、分かりませんが、

帽子を取る勇気も、タイミングも無いまま、

「こんにちは」と挨拶をしました。

 

 その方も「こんにちは」と返してくださいましたが、

驚いたのは、自分の声の大きさでした。

全く予期しない、ものすごく大きな声で、

自分でも可笑(おか)しくなって、

思わず吹き出しそうになりました。

 

 そのくらい、人と会話がないんだと思うと、

やはり驚きでした。

 声の大きさのバランスを、すっかり忘れ去っていたのです。

人と会わないということの、究極の忘却を垣間見た感じです。

 自分でコントロール出来ないことの変わり様は、

この先、いったい何が起こるか分からないという、

何か恐いものがあります。

 

 ここにも在った、丸ぁ~るくて、柔らかくて、温かいもの。

 

 それは、・・・タンポポの綿毛。