癌と付き合う Simojiさん(折々の想い)

お役に立つかどうかは分かりませんが、折々の想いを

123.【フトとは、発見そのもの!】

 

f:id:simojisannoomoi:20200513195517j:plain ♡ 見えますか?・・・透けて見える天空! 

その分、山が大きくなりました。

 

 今日も日差しが強く、散歩に出ようか迷った。

予報では、黄砂も飛来するような話もあった。

 それでも、めげずに、外に出て歩き始めた。

少し歩くと、首筋に日が当たり、ヒリヒリした。

何という陽気だ。やはり少し病んでいる。

 

 散歩の途中で、ふと見上げた時、

山の頂きのそれこそ十数メートルも下った所に、

ポツポツと幾つかの青い斑点を見付けた。

 「何だろうか」とボーっと眺めていたが、

しばらくして焦点が定まった時、ビクッとして目を疑った。

 何とその斑点は正しく「天空」そのものであった。

「アッ、空だ」と思わず驚きの独り言を放ってしまった。

 

 この「青」は紛れもなく「天」が、

透けて見えていたのである。

 その気になってよくよく見れば、

山の頂きのあちらこちらに、

山の向うの「天の青」が見えている。

 きっと、私が生まれる前から、

そこには「青」が在ったのだろうに、

こんなかたちで「天」を見付けるのは、初めてのことであり、

嬉しさと同時に、時の流れを思い知った瞬間であった。

 

 山の木々たちが春の息吹と共に、

毎年少しずつ大きくなって、この木々の成長に合わせ、

「山」自体が、大きく成っていたことになる。

 この「天の青」は、その証であるのだ。

永い時間を掛け、確実に山そのものの成長がそこにあった。

 

 勝てない、自然には勝てない、完敗である。

そんな自然の大きさを、思い知らされた出来事であり、

驚きそのものであった。

 その自然の中に、自分も居るんだということを、

知ったのは、それからしばらく経ってのことである。

 これもまた驚きであったが、

それは自然との融和におぼれた心地よい出来事であった。

 

 これが「ふと見上げた」結末だとしたら、

それはそれとして、たまには頭を持ち上げてみるのも、

面白いと思いますし、何か、ちょっと得をしたような、

気持ちになったりはしませんか。

「フト」とは、そういうものだと思います。

 

 大海に流れ込む母なる河の本流、

その大河の支流を訪ね、小川のその先の源流、

その先の湧水の一滴を、

ゆっくりと集めて呑んでみたいような、

そんな気持ちに、ふとなったりしたことはありませんか。

「フト」とは、「発見」そのものだと思うのです。