癌と付き合う Simojiさん(折々の想い)

お役に立つかどうかは分かりませんが、折々の想いを

74.【感慨無量の、・・・1年】

                ~1年前にも歩いた散歩コース~

 

f:id:simojisannoomoi:20200324170932j:plain f:id:simojisannoomoi:20200324171028j:plain ♡ 命を感じる「胴吹き桜」

 

 今日の散歩コースは、

いつもと違う愛孫宅周辺の特別コースだ。

風が強かったので、躊躇したが、腰を上げてみた。

 家の中にこんなふうに閉じこもっていては、

気が滅入ってしまう。

 季節外れの暖気に乗って、

彼方から桜の香りが仄(ほの)かに届く。

 

 愛孫の末っ子は、愛用のヘルメットをヒョイとかぶり、

キックスケーターに乗って、ス~イスイ! と、マイペース。

 皆んなは、危ない危ないと、

の後についてスタスタ追いかける。

 愛孫の長男は、

一人遅れてヨチヨチ歩く私について歩いてくれる。

子どもながらにその姿は逞(たくま)しく、

勇ましく思える。

 

 人は四つ足で生活し、やがて二本足となり、

そして三本足となる。

こんなふうに言われるが、初老にとっては、

三本目が気がかりで、

事あるたびに、ソロソロかと弱気になったり、

まだまだと強気になったり、

しっかりとした杖も心強いが、

彼のアシストは、もっともっと心強い。

 

 風の刺激に目が痛いのか、

人情味に涙が滴(したた)り出るのか、

いずれにしてもそのままでは、前が見えぬため、

ハンカチを取り出して、

涙をぬぐってよく見れば、

そこには、キラッキラの皆んなの顔が勢ぞろい。

 そんな彼らのエネルギーに引かれ、

先を目指してヨタヨタ歩き始める。

 

 しばらく歩いていくと、桜の広場にたどり着いた。

昨年と比べると、開花はやはり少し早いようだ。

 ここには大人が一人では手が届かないような、

太い古木が何本もある。

 太い幹から直接、小さな枝がでて、

そこに「胴吹き桜」が咲いていた。

 

 引き返そうかと思ったが、もう少し行ってみようと、

橋を渡り、反対側の堤の上の若木を縫って歩き、

下流の人道橋を渡り、団地を抜けて、

いつもの公園にたどり着く。

 途中の河原では、ご家族らしき方々が、

宴を催していられた。

 

 もうそんな時期なんだな~と思うと、

感無量な思いが出(い)でて来る。

 

 ・・・で、皆さんの1年は、いかがでしたか!