74.【感慨無量の、・・・1年】
~1年前にも歩いた散歩コース~
♡ 命を感じる「胴吹き桜」
今日の散歩コースは、
いつもと違う愛孫宅周辺の特別コースだ。
風が強かったので、躊躇したが、腰を上げてみた。
家の中にこんなふうに閉じこもっていては、
気が滅入ってしまう。
季節外れの暖気に乗って、
彼方から桜の香りが仄(ほの)かに届く。
愛孫の末っ子は、愛用のヘルメットをヒョイとかぶり、
キックスケーターに乗って、ス~イスイ! と、マイペース。
皆んなは、危ない危ないと、
その後についてスタスタ追いかける。
愛孫の長男は、
一人遅れてヨチヨチ歩く私について歩いてくれる。
子どもながらにその姿は逞(たくま)しく、
勇ましく思える。
人は四つ足で生活し、やがて二本足となり、
そして三本足となる。
こんなふうに言われるが、初老にとっては、
三本目が気がかりで、
事あるたびに、ソロソロかと弱気になったり、
まだまだと強気になったり、
しっかりとした杖も心強いが、
彼のアシストは、もっともっと心強い。
風の刺激に目が痛いのか、
人情味に涙が滴(したた)り出るのか、
いずれにしてもそのままでは、前が見えぬため、
ハンカチを取り出して、
涙をぬぐってよく見れば、
そこには、キラッキラの皆んなの顔が勢ぞろい。
そんな彼らのエネルギーに引かれ、
先を目指してヨタヨタ歩き始める。
しばらく歩いていくと、桜の広場にたどり着いた。
昨年と比べると、開花はやはり少し早いようだ。
ここには大人が一人では手が届かないような、
太い古木が何本もある。
太い幹から直接、小さな枝がでて、
そこに「胴吹き桜」が咲いていた。
引き返そうかと思ったが、もう少し行ってみようと、
橋を渡り、反対側の堤の上の若木を縫って歩き、
下流の人道橋を渡り、団地を抜けて、
いつもの公園にたどり着く。
途中の河原では、ご家族らしき方々が、
宴を催していられた。
もうそんな時期なんだな~と思うと、
感無量な思いが出(い)でて来る。
・・・で、皆さんの1年は、いかがでしたか!