70.【目覚め。・・・その時】
♡ 山懐(やまふところ)にあの眩しい朝焼けは無い!
朝方、トイレに行きたく目が覚めて、
フラフラとトイレを済ませ、
ベッドにもぐりこむ前に、
明るくなりかけた窓のカーテンを開けてみた。
薄っすらと色づき始めた景色は、
もうすっかりと輪郭を確認できる。
目に入る窓越しの景色を一望し、
そのまま視線を向かいの山に向けた時、
そこにあったのは、
押し上げてあげたくなるような細い下弦の月だ。
今日は、旧暦2月26日、
更に細くなり新月に向かう4日前。
もうかれこれ40年以上も前のことだが、
ご近所に転入された方が、
「十五夜の日には、丸い大きな月が見たい」と、
おっしゃった。
「丸い」は理解できる。
それでは、「大きい」というのは何のことか?
山のふもとから見上げる月は、
もう既に形は整えられ、固まってから首を出す。
水平線や地平線から出る月は、
大きなエネルギーを持って、膨張して大きく見える。
この「エネルギッシュな月が見たい」
ということのようであった。
これを「拡大補正という記憶イメージとの
辻褄合わせ」と、言ってしまうと、
元も子もないが、こういうスケールが大きい、
しかも夢がある想いに感服する。
住み慣れた「井の中の蛙」には到底思いつかない
「目からうろこ」を聞いたという、
「冷や汗」を思い出した。
今日は何をする日かな~?
風が強そうだな~? 西風かぁ?
ということは、花粉を運んでくる。
今日の飛散予報は、「やや多い」か。
飛散情報は、関東では昨年より減少、
飛散開始は例年並みかやや遅いと出ている。
とりあえず、外は駄目かな~。
でも家の中に居っぱなしでもな~。
頃を見て、少し動くか・・・
こんな時間に目が覚めて、
眠り付かなくなってしまうと、
例のあれが目を覚ます。
まだ2日目の朝だというのに、
首の周辺の不随意運動がピクピク動き出す。
しばしの微睡の後、再び目を覚まし、
布団の中で伸びをし、頭をボソボソと撫で、
涙で張り付いた瞼をこじ開けて、
目覚まし時計に目を向け、「そろそろか!」と、
布団を剥ぎ、むっくりと起き上がり、
脳を覚醒させ、ベッドから立ち上がる。
ん! ピクピクは、とりあえず治まっている。
さてと、今日は何をする日かな~~~!