癌と付き合う Simojiさん(折々の想い)

お役に立つかどうかは分かりませんが、折々の想いを

3.【まなむすめ(愛娘)の日記から・・・】

♡次からの記録は、娘たちが記しておいてくれたものです。

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鶯神楽(うぐいすかぐら):鶯がこの木の枝を飛び歩く姿から、

そう言われているようですが、この辺では「ゴロゲ」と呼ぶ。

 

1月7日(月)

5階A棟に入院。

年末から微熱があり、手術が出来るか心配でしたが、

予定通り明日、実施予定となる。

          *

1月8日(火)

熱は37.6℃。年末、風邪をひいたせいか?

予定通り9時に手術室に入室。全身麻酔がかかり手術開始。

家族は呼ばれるまで待合室で待機。

17時30分頃に呼ばれ、主治医から説明がある。

患部は全て取り除けたことを聞き、臓器を見せてもらった。

ICUに戻るまで再び待機。19時過ぎに対面できる。

お母さんが「無事に終わったよ。頑張ったね。全部とれたから安心してね。」と

声をかけると、お父さんは「お~!」と答える。

          *

1月9日(水)

お昼過ぎに一般病棟の重症個室へ転床。

麻酔が変わり面会に行くとかなり辛そうな表情。

背中からの麻酔と腕からの麻酔を入れてもらい痛みと戦う。

夕方には少し落ち着いたようで、

夜は睡眠薬も使って眠れた様子。

熱は38℃以上が続く。

          *

1月10日(木)

午後に大部屋へ戻る。

麻酔の気管挿管時に声帯が麻痺したようで、

声が出にくそうにかすれた声で話す。

熱は37℃台に下がり、ベッドを起こして

自分で水を飲めるようになる。

痰咳を出すのがとても辛そうで、吸引してもらう。

食事、リハビリ開始は延期となる。

          *

1月11日(金)

面会に行くとベッドを起こして座っていた。

痛みも少しは良くなり熱も下がった様子。

以前より手が良く動き、顔色も良い感じ。

夕方はリハビリとレントゲンがあり、

少し大変そうだったけど頑張っていた様子。

目にゴロゴロと違和感があり、目薬を処方してもらう。

          *

1月12日(土)

お昼前に面会に行くと、左脇にアイスノンを挟み、

座って辛そうな表情。

術後あちこちが突っ張るような痛みがあるようで、

我慢強いお父さんも顔がクシャクシャになり、

冷や汗をかきながら耐えている。

しばらくすると主治医の回診。今日から食事許可が出る。

とろみのついたお粥200g、

さつまいも、白身魚、ヨーグルト。

むせることなく、

とても美味しそうに食べれているように思えた。

下のドレーンを抜去。

痛み止の点滴も背中からの一箇所となる。

目のゴロゴロは続く。

          *

2月10日(日)

大分、楽になったように思える。

洗髪もしてもらえてサッパリしたようだ。

歩行や発声訓練も1階まで歩いて行けるようになった。

帰りはエレベーターホールまで見送ってくれる。

ジイジの車の維持管理のため、

子どもたちとお父さんはドライブに行き、

駐車場で待ち合わせる。

5階の窓にジイジの姿を見付けた二人は、

いつまでも手を振りダンスをして見舞っていた。

          *

・・・そして、2月19日(木)

 とりあえず戦いは一段落。

ドクターや看護師さんたちの医療スタッフの

心温まる治療や看護のお陰で、

無事、退院となる。

毎日のように見舞ってくれたパートナーや、

娘たちファミリーに励まされながらの、

思っていたより長かった通過点の43日間であった。

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家のリビングには、愛孫たちが作ってくれた

いじ、おかえりなさい」という

「千切り文字」が貼られていた。

 

・・・もちろん、長い間、涙が止まりませんでした。