癌と付き合う Simojiさん(折々の想い)

お役に立つかどうかは分かりませんが、折々の想いを

769-2022/12/13

 

 朝方、夢の中で違和感を感じ目が覚めた。この違和感は何だろうとぼんやり考えていると、胃から何かが込み上げていた。と言ってもそういう気がしただけで、やっぱり何かが変だとしか分からなかった。

 

 意識が目覚めるにしたがって、胃や胸の辺りがモヤモヤする。これは「吐き気」だ、何とも気持ちが悪い。・・・意外と早く来たなあ。抗癌剤の副作用です。

 どうしていいのか分からないまま、しばらくベッドに横たわっていた。

 

 そのうちトイレにも行きたくなった。だが、体が動こうとしない。脳の指令が肉体に届かない。何が邪魔をしているのか? 

 ただただ唖然とする絶望感みたいなものが、フィルターのようになって、そこで指令が止まっている。そんな感じだ。

 

 それでも力を振り絞りフィルターを取っ払って、やっとのことで起き上がった。これでトイレに行ける。安堵したのもつかの間、今度は足が動かない。やっぱり訳の分からないフィルターが邪魔をしている。

 

 ベッドの角や柱、ドアや壁につかまりながらトイレに行き、ゆっくりゆっくりベッドに戻り、横向きに縮こまって深いため息をつく。

 そして思った。「こんなことが続くのは、もう我慢が出来ない」・・・「もういい!・・・もういい!・・・もういい!」

 

 でも、それでは生きていけない。・・・生きていけない!

そんな葛藤をしているうち、気分も少し良くなって来た。・・・時間をかけ、ゆっくりと、やっとのことで起き上がった。

 

 あっ! 今は、落ち着いてます。ムカつきも心も・・・

768-2022/12/12

 

 抗癌剤を再開して3日目、まだまだ影響は出ていません。影響が出るまではしばらく掛りますので、その間にしっかりと打ち勝つ準備をしたいと思います。

 ・・・こう考えると、何か“ねたみ”のようなものが沸々と湧いて来るような気がしてなりません。

 

 この“ねたみ”の得体を暴いた放送がありました。

『ねたみ』とは、『比較』であり、『勘違い』だそうです。似た行為に『嫉妬』があります。この違いは『ねたみ』は「自分にないものを取りに行く」思いであり、『嫉妬』とは、「自分のものを取られてしまう」思いだそうです。

 

 いずれにしても、そのモヤモヤは「自己嫌悪」であるそうです。「自己嫌悪」とは「自分に嫌気がさして、自分自身をうとんじること」のようで、これを打ち消すのは「自己満足」を経験すること、つまり、「頑張り」であり、「自分にもできる」という経験をすることだそうです。

 

 そして、「比べる相手を他人から自分に替えること」だそうです。・・・どうですか? 出来そうですか?

 

 「ねたみ」は老若男女、誰にでもあり、嫌うものではなく「自分を知るチャンス」でもあって、他人に話してみる、どんどん吐き出す・・・

 そんなとき、自分を理解してくれる人がいる、御方がいると思えることが、その解消になるようです。

 「でも・・・」と言わず、何事も素直に受け止めましょう‼

767-2022/12/09

 

 外科外来に行って来ました。胃潰瘍は治ったようです。「気のせいかもしれませんが、まだ、少し食べ過ぎたようなときに、違和感があるような気がします。」と訴えたところ、すぐさま「それは、気のせいです。」と却下されました。

 

 それほど、すっかりきれいに治っているとのことでした。前回のレントゲンがそう物語っていましたので、それ以上、疑いの余地はありませんでした。

 

 そうなると、抗癌剤の再開です。「それじゃあ、また始めましょう。」・・・安心すると同時に、何やら不安げな空気が脳裏になだれ込みました。

 確かに飲めば飲んだで、それ相当の思いで戦わなければなりませんが、飲まなければ飲まないで、それ以上の不安もあることは確かです。

 

 「これは、一生・・・」というような声が聞こえたような気がしましたが、一切、無視することにしました。・・・聞いたって仕方のないことですから。

 

 ただ、「決められたとおりに飲み続けることが必要ですが、あなたの場合は、多少休んでも問題がありません。」「お正月は飲むのを休むか、自分で勝手に決めてもかまいません。お正月ぐらいはゆっくり休むのもいいでしょう。」・・・そんな話も聞けました。

 

 どうするかは、もう少し飲み続けて、その時の体調を見て『自分で勝手に』決めたいと思います。・・・それ良いわけですから!

 

 でも、こうなった以上、正月も盆もあったもんじゃあない!・・・それが正直な気分です。

 「やっぱり先は見えた方がいい!」(頭の中で誰かがそう叫んでいるような気がします。)

766-2022/12/04

 

 「アッという間に12月」・・・と言ってから、もう4日が過ぎようとしています。昨日、「チコちゃんに叱られる」という番組を見ていましたら、「大人になるとアッという間に1年が過ぎてしまうのは、トキメキが無くなるから」という話をしていました。

 

 『トキメキ』とは「良いことが起きる予感を得て、興奮している様子」ということのようです。そしてそう感じる気持ちが、19歳をピークに次第になくなるので、早く過ぎ去ってしまうと感じるのだそうです。

 

 だとすれば、今だに『ときめくこと』は結構あります。・・・でも、1年はあっという間に過ぎ去ります。

 

 もう少し具体的に言うと、「喜び、幸せ、華やぐ心、胸キュン、ルンルン気分」・・・そんな気持ちを指すようです。

 そういわれると、「やっぱり・・・」と思い当たる節も無い訳ではありません。

 ・・・とっても残念ですが⁉

 

 だから、そんな気持ちをいつまでも持っていたいと願うのです。たとえ少なくなろうとも、積極的にそう想い続けたいと思うのです。

 

 胃潰瘍が治ってから、と言っても、今週の胃カメラの結果を聞くまでは分かりませんが、久しぶりに愛孫たちと回転寿司に行きました。

 大好きな、イカ、タコ、貝類は封印して、マグロ、タイ、アナゴ、そしてキツネうどんと玉子焼きをオーダーしました。

 

 相変わらず、寿司の廻っていない回転寿司は、素早くレーンに乗って届きました。・・・そんな一時の「喜び、幸せ、ルンルン気分」を味わいましたが、やっぱりこの程度では、1年が長く感じるのには体験不足のような気もします。

 

 ですが、年寄には「こんなこと」が精一杯であり、ささやかでも度重なれば、少しは『1年が長く』感じることが出来ると信じています

765-2022/11/30

 中近両用眼鏡では運転する時、遠くは良く見えないので危険です。今まではその中近両用眼鏡でも遠くが見えていたのですが、眼瞼下垂の手術を受けてから、その眼鏡では遠くが見えにくくなってしまいました。

 

 そこで、遠く専用眼鏡と近く専用眼鏡の二つを持つことにしたのですが、やっぱり、その都度わざわざかけ直すということは非常に面倒です。

 

 この『掛け直す』ということは、十分理解して替えたわけですが、それでもやっぱり煩わしい。ですが、遠くも近くも掛け直しさえすればとっても良く見えるわけで、これまた捨てがたいことでもあります。

 

 このことは、どちらかを諦めなければ終わらない悩みであり、しばらく使っていく内に、きっとちょうど良い折衷案が見付かるだろうと、自分を自分でなだめるしかないと思うのです。・・・それにしても何ともイラダツ話であります。

 

 今年もいよいよ11ヵ月が過ぎようとしています。そして明日は12月。気温も今日と明日では、秋と冬の差がありありと現れるようです。明日からの散歩は1枚余分に着込まないと寒そうです。

 

 そこでテーマを『秋』と『冬』にしてみました。

 

(野の花へのコメントありがとうございます。)

 

 

『秋』&  『冬』。

764-2022/11/27

 

 1932年生まれで卒寿(90才)を迎えた評論家の樋口恵子さんが言う。「ヨタヘロ期(ヨタヨタヘロヘロの時期)」を楽しく明るく生きようと。「老いは誰にでもやって来る。この時期をどう生きるかがとても大切だ。」ということだそうだ。

 「卒寿を迎え我もなりたや微助人(ビスケット)」・・・老いは平等にやって来る。

 

 ・・・確かにそのとおりです。微(すこ)し助っ人してもらい、微(すこ)し助っ人してあげる。・・・そんな関係がちょうど良い。そんなふうに思います。

 年寄りはついつい甘えが出ます。ついつい愚痴が出ます。ついついお節介が出ます。・・・どれをとっても、やっぱりほんの少しがちょうど良い。

 

 『おばあちゃんの知恵袋』なんて言葉がありますが、『おじいちゃんの知恵袋』は無いのでしょうか。・・・いいえ、やっぱりほんの少しあります。

 

 『団塊の世代』なんて言葉があります。でも、こんな言葉は使わないでください。我々はひとっ塊ではありません。十人十色、色々な人がいます。・・・こう言うのを『年寄りのひがみ』と言います。

 

 あんまり余計なことを言うと人に嫌われます。でも、時々言わないと影が薄くなります??? ・・・やっぱりこの辺のバランスが気になります。

 まっ! 少し突っ張って生きるのもいいかもしれません。ほんの少しだけなら。

763-2022/11/25

 

 最近、訳あって買い物に行く機会が増えました。スーパーのレジに並ぶことなど余りありませんでしたが、ここのところ必然的に並ぶことがあります。

 そんなこんなで、やっとのことポイントカードをスマホで提示し、支払いもスマホで済ますことが出来るようになりました。

 ・・・この出来事は、私にとって驚くほどの進歩です。

 

 これらのことは全て愛娘のお陰です。スマホにアプリを入れてもらい、使い方を教えてもらい、その通りにスマホを操作している訳で、いまだにポイントの使い方は知りません。

 そこまで教えてもらっても、使う時にはきっと忘れていると思ったからです。

 

 一度に色々教えてもらっても、いざ使おうとしたときにこんがらがって操作が出来ない。それでは、レジでまごついて、他のお客さんに迷惑を掛けないという命題は全う出来ないからです。

 

 ということで、一つの使い方をマスターしてから、次のステップにチャレンジした方が良いと思い、一つずつということにしたのです。お陰で、第一段階は上手くいっています。年寄りには、この一つずつが合っているようです。

 

 前置きはこのくらいにして、本題に入りたいと思いますが、この時間を掛けずに通過が出来るようになったレジですが、最近、有人のレジだけでなく、セルフレジなるものに出くわしました。

 

 さあ、どうしたら良いものか、困り果てて周りを見回していると、レジを補助してくださる方が声を掛けてくださり、教わりながら何とか通過することが出来ました。でもこれではセルフレジの意味がありません・・・

 

 そんなことにオドオドしているなか、更にシステムが向上し、完全な無人レジなるシステムがあると聞きました。もうこうなったら何が何だかさっぱり分かりません。しかし、人件費の抑制などからこのシステムが進みつつあるようです。

 

 「便利は不便」と嘆くうち、朗報が飛び込んで来ました。それは『スローレジ』と呼ばれるゲートです。

 外国では既に広まりつつあるようですが、日本ではまだまだ少ないようです。このゲートは、どんなにゆっくり支払いをしても、誰も文句を言わないそうです。なぜなら、そういう人のためのゲートだからです。

 

 場合によっては、レジ打ちの店員さんと話をしたり、後ろにお客がいないような場合は、何分でも世間話も出来るという、年寄りには夢のようなゲートです。

 便利や効率化ばかり優先される世の中、こんなに良い話はめったにありませんね。

年寄りは、こういう気の利いたことを望んでいるのに・・・