癌と付き合う Simojiさん(折々の想い)

お役に立つかどうかは分かりませんが、折々の想いを

789-2023/02/08

 

 こんな見出しが目に留まりました。・・・『三菱スペースジェットの開発中止。1兆円を投じた「日の丸ジェット」は幻に』

 

 三菱スペースジェットは、「三菱リージョナルジェットMRJ)」という名前で、三菱重工の子会社「三菱航空機」が2008年から開発していた「YS-11」以来、約40年ぶりとなる国産旅客機でした。

 「日の丸ジェット」として注目を集めていましたが、開発が難航し納期を6度も延期し、ついに開発中止となってしまいました。

 

 反省点として「高度化した民間航空機の型式認証プロセスの理解不足」があり、さらに「長期にわたる開発を継続して実施するリソースの不足」があったとしています。

 そして「今後とも SpaceJet の知見を活かし、完成機を見据えた我が国航空機産業の発展と技術力向上に取り組んでいく」とコメントしています。

 

 しかし、「リソース」とは、「開発プロジェクトに投入される人的資源や予算のこと」であり、このリソースが不足していたと認めておるわけで、コメントを額面通りに受け取ることには無理があると思います。

 

 昨今、製造業の海外生産移転や、いわゆる「空洞化」が問題となっており、人材や技術の海外流出に伴う「日本企業の衰退」ということが、その裏にあるのではないかと危惧しています。

 

 40年という半世紀にも近い長い間、飛行機作りということを海外に任せ、その間にすっかり技術的な遅れを取り、取り掛かった時には「既に遅し」という結果に陥ったのではないか、そんな気がしてならないのです。

 

 身の回りのものを見ても、その多くが「Made In Japan」でなく、「Made In 外国」と記されたものであふれ返っています。物でも食品でも然りです。

 もの作りの全てを外国に任せ、もう日本では技術的ノウハウもなく、もの作りが出来ない。「生産基地の海外移転」です。・・そんな時代になっているのではないかと心配するのです。

 

 後継者不足も言われています。何年も続いた老舗が店じまいをしています。・・・日本人は「後継者育成」ということを忘れてしまったのでしょうか。