癌と付き合う Simojiさん(折々の想い)

お役に立つかどうかは分かりませんが、折々の想いを

175.【10日目で、ちょっと余裕の一日】

 

f:id:simojisannoomoi:20200704190115j:plain f:id:simojisannoomoi:20200704190150j:plain ♡ 見えますか?・・・風神さん!

 

 やはり、薬の量は副作用の重さに比例するようです。

今日で投薬10日目、朝の目覚めは気持ち良かった。

多少のだるさは残るものの、辛いだるさは消えていました。

 さぁ~て! 起きるか? ・・・

その合図とともに、スクッと起き上がれました。

 

 ひと通りのルーティーンをこなし、散歩するか? と、

外を見やると、雨こそ落ちていないが、風がすごかった。

踏ん張りの効かない私の足では、吹き飛ばされそうで、

残念ではありますが、散歩は諦めました。

 

 とは言っても、こんなに体も軽いことだし、

少しでも動こうと、

例の“階段散歩”に切り替えることにしました。

 階下の部屋と廊下をウロウロして、階段を登り、

2階の廊下と部屋をウロウロして、階段を降りる。

 

 家の中で一番危ない場所、それは階段であります。

私の家は、従妹の旦那さんが建ててくれました。

 そのとき、折角の階段周りの風景が、壊れると思い、

階段に手すりを付けるつもりは、ありませんでしたが、

彼は、『いいや、絶対、必要になる』と言って、

引きませんでした。

 

 そこまで言われるならと、渋々承諾したのですが、

今になってみると、彼の言うとおりでした。

 今や手すり無しでは、恐くて昇り降りが出来ません。

私が浅はかでござんした。ご忠告ありがとうございました。

 

 そんな彼は、大工さんで棟梁(とうりょう)です。

棟梁には、

鳶職、大工、瓦屋、ブリキ屋、電機屋水道屋、建具屋など、

家造りに必要な職業の方々が繋がっており、

棟上げ式には、皆さんが手伝いに集まります。

 

 式が終わると、

小宴を済ませ、いよいよ棟梁送りが始まります。

 提灯(ちょうちん)を持った鳶職の方々を先頭に、

木遣り唄(きやりうた)を唄いながらねり歩き、

棟梁を送り出すというものです。

 上棟式で鬼門(北東)に飾った幣束(へいそく)は、

災難を払う魔よけの意味があり、

私の家の天井裏に取り付けてあります。

 

 今、階段を一歩一歩踏み締めながら、昇り降りする度に、

そんな、棟梁とのやり取りを思い出します。

 やはり、プロの言うことは、聞くものですね~!

 

 今日は、そんな思い出を、浮かべられるような、

ちょっと余裕を持てる、心地良い一日でした。