120.【同じ起こされるにしても・・・】
♡ シンクロメッシュ機構がなかった時代は、ダブルクラッチを使った。
ほとんど姿を消していたルーレット族が復活した。
この新型コロナウイルスの蔓延による外出自粛のさなか、
それだけではない、消音機の部品をはずし、爆音を立てる。
警察の取り締まりを受けた若者は言う。
「まだ若いから、走りたくなる。まだ20代だし。」
おいおい、「もう20代」だろう。日本語も怪しい。
そんなコンクリートジャングルから離れたこの地でも、
轟音を放って通り過ぎる車がいる。
山間のカーブの道路を、サーキットだと
勘違いしているようだ。
夜半の走行音にはビックリして、
目を覚ますことも少なくない。
「ウワッ! 何が起こった?・・・あぁ!暴走車か!」
カーブのところで、ブワッとやり、
ブオ~~~ッと走り抜ける。
ん! マニュアル車か? と、変な興味を持つ。
だが、ちょっと違う! 単なる“空ぶかし”だ。
・・・何~んだ、見栄っ張りか!
折角の興味がブッチギレ、諦めてウトウトし始める頃、
またも、ギュ~~~グッグググ、ブン・・・グワ~~~と、
別の走り屋が、こだまを残して通りぬけていく。
カーブでブレーキを踏んで、空ぶかしをして、
アクセルを踏む音だ。
折角、脅してくれるなら、
わざわざ、目を覚まさせてくれるなら、
スマートに、“ダブルクラッチ”を使い、
さっそうと走り抜けて行って欲しい。
それなら、多少の騒音も、妙な時間の二度寝も、
少しは諦められる。
ダブルクラッチは、マニュアルミッションの車に乗るとき、
ギアダウンする時に、ダウンギアの回転数に合わせ、
エンジン回転を上げてからギアを入れる。
そうすると無理なくギアが入り、
エンジンのためにもその方がいい。
それと、エンジンブレーキが効きやすく、
カーブなどでは、より効率的だ。
この方法は、レースをしていた先輩に聞いて、
練習をしたものだ。
レーサーは、この時、
右足でブレーキとアクセルを、片方の足で操るのだそうだ。
空ぶかしは、ブワッとやった後、
一呼吸おいて、ブオ~~~ッと走り去るが、
ダブルクラッチを使うと、ブワッの後、
直ぐにブオ~~~ッと走り去る。
何とも走りがスムースだし、音もとっても気持ちがいい。
空ぶかしは、不必要な音だが、
ダブルクラッチの音は必要な音だ。
そんなふうに思ってやっていたが、
私の勝手な思いだったかもしれない。
でも、マフラーを改造したことは無い。(笑)